大学の概要

 神奈川大学は1927年の金融恐慌に伴う社会混乱の中で、後の衆議院議員・米田吉盛が良識ある社会を支える中世堅実な青年(市民)を育てるべく設立した横浜学院(1928年設立)に端を発する11学部を擁する総合大学です。
 世界大学ランキングでは有名国立大学には及びませんが研究力、教育力が相対的に高く評価されています。産業界からは派手ではないが誠実で実直な若者を育てるとされ、各方面で名もなき要となる人材を輩出してきています。日本格付研究所(JCR)から「AA/安定的」の格付を16年連続で取得しており、今後も安定的に各方面の社会的課題に対応できる人材育成を目指しています。

臨床心理士養成課程の特徴

 大学院の臨床心理士養成課程も建学の経緯を反映し、心理療法統合の姿勢で中世堅実で現場の即戦力となる臨床家の養成を目指しています。相対的に産業領域に強いのも特徴ですが、医療・教育・福祉・司法の各分野に強い専門家も教鞭を取っており、修了生の活躍の場は幅広い領域に渡っています。教育の幅の広さを担保するため臨床心理士だけでなく精神科医や1級キャリアコンサルティング技能士を保有する専任教員も有し、同じ専攻内に実験心理学、社会学、生理学など周辺分野の特論も開設され、課程内には脳研究のラボもあります。心理療法の統合だけでなく学際的な統合的学修と研究も可能です。

教育の特色

①充実した内部実習・学外実習
 学内に設置された心理相談センターでは地域住民の心理相談や心理検査をお受けし、経験ある臨床心理士有資格者の指導のもとで大学院生が担当する(一部、教員が担当)という内部実習を展開しています。修了までに継続心理相談3ケース、心理検査(報告書の作成も含む)3ケース以上の担当が標準的です。また、学外機関における実習では首都圏一都三県にわたるネットワークをいただいております。多彩な地域と臨床領域で経験を積めることも特色の一つです。

②徹底したスーパーヴィジョン・システム
 大学院生が1セッション実施するごとに、1回の個人スーパーヴィジョンを実施しています。現場の名人級の有資格者6名を教員格のあるスーパヴァイザーとして雇用してご指導いただいています。また、年間30回近くグループスーパービジョンを実施。専任教員がスーパヴァイザーとなり、大学院生は修了までに少なくとも3回は事例報告を担当します。このように多層的な学修を実現しています。

③少人数教育と手厚い教育体制
 1学年概ね7名の大学院生に対して臨床心理士養成にフルコミットする専任教員は7名。それに加え、日常的な臨床活動を支え、指導する非常勤助手6名を配置し、きめ細やかな指導を実施。良質な心理臨床のクライアント体験から学ぶ教育面接、各自の臨床家としての成長課題について個別相談ができる課題面接のシステムを展開。この仕組みで大学院生の臨床力の向上を図っています。

④研究指導体制
 科学的な心理学研究を通して現象を客観的に捉え多層的な理論から仮説を検討できるスキルの醸成を目指しています。現場の即戦力となる方には、このスキルが事例を多面的に見立てる臨床力の礎となります。研究者・指導者を目指す大学院生には研究力・指導力の礎となります。博士後期課程で学位を取得した者のほとんどは他大学の教授、准教授として活躍しており、臨床心理士養成課程で教鞭をとる者もおります。

 これらの4本の柱とも言える教育の特色で大学院生には実力をつけていただいて修了していただきます。

卒業後教育とキャリア形成支援、今後の課題

 卒業後の教育としてまず力を入れているのは臨床心理士資格の取得と維持の支援です。資格試験に向けた勉強会なども開催してきていましたが近年はそれ専門のSNSコミュニティや業者などを活用する修了生も増えてきているようで、時代に即した支援が課題です。資格の維持については臨床心理士更新ポイントになる研修会を年1回から2回は開催し、修了生は無料で参加できるようにしています。最後に充実した養成課程の維持には財務基盤の安定化が欠かせません。課程単独では困難なため専任教員は外部資金の獲得や神奈川大学の全学的課題や運営に積極的に参画し、大学をあげて養成課程の財務基盤への支持を得る努力を重ねています。
 このように神奈川大学は建学の理念と臨床心理士の理念を統合し人材育成に励んでおります。今後とも本学と修了生にご注目いただければ幸いです。

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