開業心理士といっても、心理学を大学や大学院で学んできた学生さんや、これから心理学を学ぼうとする学生さんには、なかなかイメージしにくい分野かもしれません。そこで、私が法人の代表として、1週間をどのように過ごしているのか、また、ケースがある日の典型的な過ごし方について紹介していきます。
弊社は2007年に設立し、現在はスタッフ総勢7名のカウンセリングルームで私はその法人の代表を務めています。
これは、1週間の典型的なスケジュールです。認知行動療法を専門としているカウンセリングルームで、睡眠指導もクライアントに対して行っているため、自分自身も毎朝5時起床22時就寝のリズムは崩さず、10年くらいは継続しています。業務内容は信じられないほど多岐にわたりますが、この基本スケジュールに、緊急対応事案が起きたり、家族メンバーの対応が必要になったりします。休日はできるだけ休むようにしていますが、その休日に、月1回の顧問税理士との面談(売上、経費の整理と年間計画から大きな変更がないかどうか確認します)や、新しい企業との契約の面談や交渉、連携機関との連携業務、クライアントを医療機関へリファーする紹介状作成など、時間を確保しないとできない業務は、大抵こうした休日に取り掛からざるを得なくなります。今年は自身が病気をしたこともあり、不測の事態に対応する柔軟性は、この業界で働く人には必須かもしれません。だからこそ、日常の生活はできるだけルーティン化できるようにしています。

「休日ないじゃん!」と思われるでしょう。そうですね、定期的に休みが欲しいという方には、なかなか難しい仕事なのかもしれません。しかし、開業の良いところは、自分がやりたいようにやれることや、数か月前から予定を立てれば、1週間~10日間のまとまった休みをとり、海外旅行や国内で普段いけないところへ飼い犬と一緒に出掛けたりします。個人的には、定期的にまったりする時間をもつより、多忙な日々を送った後の、特別な休暇を楽しみに働いている感じです。
私は、臨床心理の世界に入る前は、アメリカの大学を卒業後、帰国して外国企業の日本支社で8年間勤務しました。若かった私には、いろいろな国に出掛けて研修や会議に参加したり、日本にやってくる海外の管理職らと関わったりする仕事がとても有意義に感じていました。仕事ももちろん一生懸命やっていましたが、どちらかというと、そこで出会う人たちとの交流から学んだことが多かったように思います。今でも、その時の仲間は私の大切な仲間で、たまに集まって昔話をする時間が極上のご褒美です。私は大学院へ進学したのが30代でしたので、大学からストレートで大学院に進学してきていたゼミ仲間は、10歳も年下でした。にもかかわらず、当時のゼミ生は、何も分け隔てなく接してくれましたし、プレイルームでの自閉症児の週2回のトレーニングも、仲間と楽しく取り組むことができていました。そこで出会った仲間や指導教官らも私の大切な人たちです。
今振り返ってみると、こうしてこれまで出会ってきた、さまざまな国や分野の方々との出会いと交流があったからこそ、現在開業で様々なお困りごとを抱えて訪ねてきてくれるクライアントたちにも何の躊躇もなく、「出会えている」のかもしれません。開業分野はもちろん専門的な知識や「売り」になる、何かがないと難しかったりするのかと思います。臨床心理士としての経験ももちろん重要ですが、それ以外の様々な体験や経験も必要なのかもしれません。
最後に、私の1日のケースがどのような内容なのかをご紹介しましょう。これは今年のある1日に来られたケースの内容です。主訴は「職場適応、社交不安症、強迫症、パニック症、発達障害、強迫性緩慢など」単一もあれば重複していることも、性別年代は10代から50代までの男女」問わずです。来談形式は「単独もあれば、家族同伴」もありました。
弊社では、認知行動療法を行います。初回は、症状の聴き取りとケースフォーミュレーション、心理教育などを主に行います。面接する順番は、その都度臨機応変にご本人のきもちを第一優先にして決めますが、時に、セラピストが必要と判断した時には、順番をこちらからご提案するときもあります。
いかがでしたでしょうか? 将来、開業してみたいなと考えている人や、このような分野もあるのだなということを知っていただくだけでも良いのだと思います。将来の仕事の選択肢として、魅力的だなと思ってもらえたら幸いです。