「学校で教えてくれないこと」——。本誌は高校や大学にも送付されるのですが、先生たちに怒られそうな特集タイトルです。
 でも、「教わる側」である学生はもちろん、「教える側」の先生たちも、学校で「教わるべきこと」のすべてを教えられるわけではないのは知っているはずです。だからこそ、先生たちも、家庭や地域では、「先生」としてではなく、ひとりの「大人」としてふるまっていることでしょう。
 サブタイトルは「建前と本音の境界線」としました。この境界線は、時代によって、地域によって、その他いろんな要素によって変化するものです。常に一定ではありません。だからこそ、むずかしい。学校では、基本的に「建前」のほうを教える/教わることになるでしょう。もちろん「建前」は大事です。常に「本音」だけで生きていたら、世の中は立ち行かなくなってしまいます(SNSでの胸が痛むような匿名コメントが全面化する社会を考えてみてください)。でももちろん、「建前」だけでは社会が硬直化してしまいます。
 だからもちろん、「本音」も大事。でも、「本音」は取扱注意の諸刃の剣でもあります。ただぶつけあえばよいというものでもありません。その意味で、こうした雑誌などの媒体を間に挟むことで、安全に「本音」を扱うことができるのではないでしょうか。
 本特集、皆さんの「本音」に響くところがあるはず。お楽しみください。

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