カウンセリングは、クライアントとカウンセラーが場所を同じくする「対面」をその基本として発展してきました。というより、そもそも人と人とが話すのには「対面」することが必須だったがゆえに、カウンセリングもそうであった、というほうが正しいでしょう。
しかし、技術の発展とともに、電話、メール、テレビ電話、SNS……と「対面」しなくとも「話す」ことのできる選択肢は多様なものになってきています。カウンセリングでも、そういったデバイスを用いることが少しずつ増えてきていました。それらの方法の最大の利点は、「届かない人に届く」ようになることでしょう。
何事も、新しいことを始めると、従来の方法でアイデンティティを作ってきた人からは批判を受けるものです。ですから、長い間、対面以外のカウンセリングは「代替手段」として捉えられてきました。
しかし、コロナ禍を機に、「対面」に拘っていたカウンセラーでもそういった選択肢を利用することが一般化し、オンライン面接が一気に市民権を得たのです。
いまや、テキスト、電話、オンラインといったデバイスがない世界を想像するのが難しいように、カウンセリングでそれらを利用しないと考えることも不可能です。デバイスを用いてのカウンセリングは、対面のカウンセリングの「代替手段」としてではなく、独立した方法として認識されてきているのです。
さまざまなツールを用いてのカウンセリングの現場、ごらんください。