この二年余というもの、新型コロナ感染拡大によってわたくしたちの生活や人付き合いの様相は大きく変化しました。当たり前であった人と会うことが制限され、繋がりが絶たれたかのように感じたり、誰かと繋がっていることの大事さに気づいたりしたことでしょう。人との繋がりについて改めて考えさせられた日々であっただろうと思います。
人との繋がりにはいろいろな有り様があり、時にありがたく時に煩わしく、確かであったり頼りなかったり、強いかと思うと突然消えたりします。
東京パラリンピック陸上マラソンの視覚障害のあるクラスで金メダルを獲得した道下美里選手は、「走ってる時、ロープを持ってるだけで本当に自由にさせてもらっているのです。まるで見えてるかのように走らせてくれる、自由に羽ばたける、みたいな感覚になるのです。」と語っています。ランナーと伴走者とが共に握っているロープは「絆」と呼ばれます。
四月、新しい生活の場に足を踏み入れる方は、親しい人と離れ離れになることも、新しい人と出会うこともあるでしょう。誰かと「繋がる」明日になりますように。