典型的な家族のカタチとは?と問われたとき、みなさんはその具体像をイメージすることができますか。それを思い浮かべつつ、この問いへの違和感やもしかしたら拒否感すら抱くかもしれません。
確かに親子という生物学的なユニット(parent-child)がなければ人は存在しません。捕食や移動のできない赤ん坊は保護者(caregiver)にケアされることで命をつなぎます。言葉をはじめとする発達の諸相は関係(social)のなかで育まれます。家族をイメージするには十分な事実です。
一方で、つながり、絆、支えといった心的なイメージを持つ人もいるでしょう。あたたかさや安心も。表裏のように、居心地の悪さやしがらみ、疎ましさなども。
家族とは遠目には同じように見えても、近づくほど個別性が際立つようです。現在まさに様々なカタチ、在り様を見ることができます。三世代、核家族、ひとり親、同性婚、里親、養子、施設ファミリー…。この広がりにみなさんは何を感じますか。新しさとともに、「それでいいんだよね」という納得感をみつけることはありませんか。
まだまだ政治や法律の世界はこの事実についていけず、抗っていると見えなくもありません。世代や立場の違いが、多様さを受け止めることを難しくしているようにも解しますが、そもそも家族を定義しようとするところに無理があるようにも感じます。
シンプルに"多様にある"と認めること、そして"より多様になれ"との願いを共有できればと思います。