本特集は高校生でも楽しめることを目指して編まれました。もちろん、あなたが高校生じゃなくても構いません。誰でも、心理臨床学に「超」入門できること、それがコンセプトです。
僕らの学問は、心の支援を行うためにあります。このとき、僕らの最強の武器になるのは、なんらかの特別なテクニックではなくて、「わかる」ことです。つまり、心を理解すること。それこそが心の支援の本質にあるものです。あなたもそうじゃありませんか? 何か特別なことをしてもらうのではなく、理解されること、それが心を支えます。
ですから、僕らの学問には心を「わかる」ための様々な理論があります。今回はそのうちの代表的なもの、自立、不安、怒り、ストレス、共感を取り上げました。それらに「超」入門してみたい。たとえば自立とは何かを、ややこしい話抜きに、なんとなく理解してもらうこと、それこそが本特集の目的です。
そのために、今回はジブリのアニメを取り上げてみました。誰もが知っている物語には、心の動きが鮮やかに描かれているから、超入門にはうってつけだと思ったのです。
今回の特集を読んで興味が芽生えたら、ぜひジブリのアニメをもう一度見ていただき、そして僕らの学問の「超」ではない入門書を読んでいただければ、こんなにうれしいことはありません。
ようこそ、心の世界へ。心理臨床学の世界へ。