話を聴く仕事をしているカウンセラーは、苦しいときに誰に話を聴いてもらっているのか。カウンセラーをしているとしばしば聞かれるテーマです。舞台裏を支える支援者の舞台裏はどうなっているのか、誰しも興味があるところでしょう。そしてもちろん、僕も興味があるところです。
 今回、業界の大御所から若手に至るまで、様々な人に「誰に話を聴いてもらっているのか」と尋ねてみました。あなたのことを誰が支えているのか。スーパーヴィジョンというカウンセリングの訓練を挙げた人もいれば、指導を受けてきた先生を挙げた人もいます。同じ職場で働いている仲間を挙げた人もいました。
 こうやって書かれた原稿を眺めてみると、論文や本には描かれることのない支援者たちの素朴な側面が現れているなあと思います。ケアする人はケアされていなくてはならない。そういうケアの原則が改めて思い出されます。きっとあなたにもあなたを支えるケアがあると思います。そういうことを振り返るきっかけになれば幸いです。

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