SNSの特徴

 SNSの普及率は高く、多くの方が何らかのSNSを利用して生活しているのではないでしょうか?
 SNSの中はたくさんの情報で溢れかえっています。単純に知人の近況についてやり取りできるだけではなく、企業も自社の製品情報について工夫を凝らして発信することも当たり前になりました。また、そういった情報を利用したYouTuberという新しい仕事も出てきており、大人のみならず、多くの子どもたちも夢中になっています。
 SNSはそのアクセスのし易さから、誤情報も拡散されやすく、不安感情が傓られたりすることがあります。また、簡便な操作で多彩なメッセージをやり取りすることができるため若者に受け入れられやすく、そういった特徴はしばしば犯罪にも利用されます。

SNSでの犯罪被害

 今回は若者を中心として取り上げます。警察庁のデータによれば、SNSを利用して犯罪被害に遭った一八歳未満の児童数は年々増加の一途をたどっています。
 大半はスマートフォンを利用したもので、性犯罪が大勢を占めています。特に中学生の被害児童数が増加しており、中には強制性交や略取誘拐等の重大な犯罪も発生し、警察庁はSNSの運営事業者への働きかけや、性被害防止のための広報啓発を強化しました。
 また、忘れてはならないのが、平成二九年に神奈川県座間市で発生した九人の連続殺人事件です。本事件は、犯人がSNSを利用して自殺願望を発信した被害者に同情的な態度を装って近づき殺害に及んだ、極めて卑劣な犯行で、事件後に政府は関係閣僚会議を開き、再発防止策を講じることとなりました。これら犯罪被害は、情報社会の進化とともに若者がスマートフォンを持つ時期が早まってきている昨今、私たち全ての人にSNSリテラシーの大切さを知らしめることとなりました。

SNSリテラシー

 先日、インターネット・ゲーム障害について講演を行った際、とある学生から、「ネットでの関係が怖いことがわかった。でも私はSNSの人を信じられるから大丈夫と思う」というメッセージをもらいました。この学生の背景事情はわかりませんが、この言葉からは、自分には関係がないだろうという意識と、SNS上の関係性を理想化しているところが読み取れます。脳は二〇代後半までは未熟であり、特に一〇代は、先のことを考えて行動することや、衝動を律する力に弱さがあります。共感するような言葉かけや多彩な画像から、自分の想像力で見えない情報をポジティブに補完し、行動してしまうのかもしれません。
 子どもがメディア機器に触れる機会が増加する中、親はSNSの情報には噓や主観が多いことを知った上で、子どもと一緒に取り組めるルール作りをすることが必須となるでしょう。また、親以外にも現実で本当に信頼できる相談相手を作れるよう支援していくことが大切です。

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