今回のテーマを与えられて最初に想い浮かんだのは、教育分析において聴き続けてくださった、ユング派の分析家・河合隼雄先生です。心理臨床家としての悩みや葛藤はもちろんのこと、ひとりの人間として直面する様々なことを聴いていただきました。言葉による表現だけではなく、夢を介して箱庭制作を通して、内界の探求に伴走してくださいました。
 今も河合先生のお墓の前で、聴いていただいています。「ここにはいません♪♪」と、フルートを吹いていらっしゃるようにも想いますが。


 フロイト派の精神分析界では、小此木啓吾先生によるグループや個人スーパーヴィジョンにおいて、初心のサイコロジストとしての戸惑いや悩みを聴いていただきました。
 折々の悩みや葛藤を聴いていただいたのは、神田橋條治先生、山中康裕先生、北山修先生、皆藤章先生、高石浩一先生らでした。
 心理臨床の親しい仲間として、片山登和子先生、橘玲子先生、東山弘子先生、深津千賀子先生、嘉嶋領子先生などに聴いていただいたことも、懐かしく思い出します。
 昨今では、スピリチュアルケア学会や臨床宗教師会において、窪寺俊之先生、柏木哲夫先生、島薗進先生、鎌田東二先生、伊藤高章先生、大村哲夫先生、松田真理子先生。キリスト教界では植松誠先生、植松功先生や、天に召された速水敏彦先生、樋口和彦先生など。中学・高校・大学・大学院の友人たちとは、悩みを含めて様々なことを語り合い、今もなお親しく交流しています。


 悩みを聴いてもらった「誰」ではありませんが、水族館の魚たちや自然界(大空の雲や月や草花)にも想いをつぶやき、安らぎを与えられています。
 長きにわたって苦楽を共にしてきた夫には、クライエントに関しては守秘義務から話すことはありませんが、夫の存在なくして私の人生を語ることはできません。
 私を親に生まれて来てくれた三人の子どもたち、親しく過ごした姪と甥、縁あって出会ったクライエント、沢山の学生たちとの交流は、私の個人的な悩みを忘れさせてくれました。時には悩みの種でもありましたが。
 これら全てを包みこむ「大いなるもの」に語りかけ。聴いてもらい、支えてもらって、今日に至っています。
 今回のテーマを与えていただいたことによって、我が人生における数々の恵みを振り返えることになりました。

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