最近、「特性」という言葉をよく耳にします。ニュアンスとしては「困ったやつ」とネガティブに使われ気味です。一方、ある辞書では「固有に持っている優れたところ」と褒めてくれます。多かれ少なかれ誰しも持っているのだから、存在を認めてポジティブに仲良く付き合ってしまえばよいのですが、そう簡単にいかないところがなんとも困ったやつです。
 私は優先順位をつけてタスクをこなすのが苦手です。よくある「勉強(仕事)しようと思って机に向かったら、その辺りを片付け始めちゃって、気づいたら本読んでた」というやつです。目に入った刺激物のお誘いを断れません。好奇心旺盛といえば子ども的には良さげですが、大人的にはやっかいです。目当てのモノがあって、買い物に出かけたら違うモノ買っていた……なんてことも昔はよくありました。
 最近はいささかコントロールできるようになったと感じます。それは自分が自分の上手な支援者になったのか、特性が弱まったのか(症状改善?)、加齢でエネルギーが減ったのかは分かりません。仕事場の環境を整えているのはありそうです。To Doリストを書いて目につくようにしています。そういえば数年前に勉強できないから!と私に携帯電話を一時預けにきた学生がいました。彼も似た者だったのでしょう。
 このコーナーでは、心理の専門家が自分の特性について解説し、その対処法を開示します。いや、そもそも対処できているのか? お楽しみください。

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