学生生活、ビジネス、家庭生活。私たちの日常はやりたいこと、やるべきことでいっぱいです。24時間という限られた時間の中で、何を、いつ行うのかをあらかじめ決めて、計画に沿って実行していく。スケジュール管理は重要なスキルと言われることも多いですが、苦手意識を感じる方もいるのではないでしょうか。かく言う私もその一人です。

スケジュール管理とは?

 そもそもスケジュール管理をする際に必要な作業とは何でしょう。スケジュール管理が苦手な社会人Aさんの例をもとに考えてみましょう。
 三週間前、Aさんは上司から会議資料の作成を頼まれました。Aさんは「三日あれば完成できる」と思って後回しにし、会議の三日前になって作業を始めました。ところが、想像以上に調べることが多く、予定よりも時間がかかってしまいました。会議前日、何とか間に合わそうと作業をしていると、上司から「明日の会議資料の確認をさせて欲しい」と声をかけられました。上司に資料のチェックしてもらう必要があることを失念していたのです。結局、Aさんは夜遅くまで残って作業をすることになってしまいました。
 このように会議資料を作るという目標は一つでも、そこには複数のタスク(作業)が含まれています。複数のタスクを含むような複雑な目標のために計画を立て、それを達成するためには、どのようなタスクがあるのか全体を把握し、期限に間に合うように時間を管理する必要があります。また、目標達成をはばむ「後回しにしたい」「休みたい」といった自分の行動や思考、気持ちを調節することも必要になります。

上手くいかないのはなぜ?

 このようにスケジュール管理は、様々な作業が関連し合いながら進みます。上手くいかない場合は、まず自分がどの部分が苦手か考えてみましょう。上手く進めるためのヒントになるかもしれません。
 例えば先ほどのAさんの例では、タスクの把握ができておらず、上司のチェック・修正が抜けてしまっていました。また、資料の完成を会議当日に設定していたり、作業に必要な時間を甘く見積もり、その結果時間が足りなくなるなど、時間管理の苦手さもうかがえました。そのため、作業開始前に毎回必要なタスクを書き出すこと、実際の作業時間を測って記録すること、資料完成の期限を締切よりも早く設定することが対策として考えられます。タスクを書き出す際は、「BとCの情報を集める」「Bを読む」「Cを読む」のように細かく分けて書くことがポイントです。細分化することで作業時間の予測が容易になる上、目標達成までの工程も把握できるので、スケジュールが立てやすくなったり、抜けているタスクに気付きやすくなります。さらに、タスクの終わりが見えやすくなるため、作業にとりかかる心理的負担を減らし、結果的に「後回し」を防ぐことにもつながります。

スケジュール管理のコツ

 スケジュール管理に苦手意識を感じる方の中には、そもそも時計やスケジュール帳をみる習慣がない方もいるでしょう。その場合、まずは時間を意識することから始めましょう。手帳やアプリなどのスケジュール管理ツールを使う場合は、予定の記入が簡単で、一目見てわかりやすいものがおすすめです。家庭用と仕事用など用途別に管理している場合は、一元化する方がよいでしょう。他の予定を見ながら計画が立てられ、予定の記録忘れや見落としが減ります。
 スケジュール管理は、何気ない作業のようで実は複雑な作業です。「やっぱり難しい」と思った方、一緒に自分にぴったりのスケジュール管理法を探しましょう。

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