物を捨てられない。誰もが多かれ少なかれ経験していることではないでしょうか。物を捨てられないと、その物は自宅に貯まっていきますよね。その量が多くなると、自宅が手狭になってしまいます。物を捨てられない時、どのように対処すればいいのでしょうか。実は物を捨てられない背景は多様であり、個性によって様々なタイプがあります。書きたいことはたくさんありますが、紙面が限られています。今回は、著者の経験をもとに、二つのタイプを紹介したいと思います。
集中するのが苦手なタイプ
まずは、一つのことに集中するのが苦手なタイプです。このタイプの人は、例えば物を捨てるかどうか迷っている間に、他のことに注意が行ってしまい、他のことに集中してしまいます。そして、結果的に物を捨てることができなくなります。また、このタイプの人は、物一つ一つに注意を注ぐのは得意なのですが、複数の物に注意を払うのは苦手な傾向があります。例えば、部屋にはマンガ、服、鉛筆などいろいろな物がありますよね。部屋を片付ける時には、複数の物にバランスよく注意を払う必要があります。このタイプの人は、部屋全体の状況を把握しながら片づけをするのが苦手なことが多いです。
対処法を紹介します。ゴミを捨てようとしても気づいたら違うことをしている場合は、物を捨てる作業に集中する工夫をしたらいいと思います。例えば、気が散らないようにテレビなどは消して静かな環境を確保するという工夫があります。また、一人で作業を行うのが難しい場合は、誰かの力を借りることも有効な手段です。誰かと作業をすると、作業に集中できます。
物への思いが強いタイプ
次は物への思いが強いタイプです。この思いの在り方は一通りではなく、人によって違います。ある人は、友達が「捨ててもいいのに」と思う物に対して、特別な思い入れを持っています。例えば、10年間使っていないオモチャをさも友達であるかのように感じます。また別の人は、物に対して「こうも使える」と多くの用途を思いつきます。そして、物を価値ある物と考えます。物に対する思いが強いと、物を捨てる時に、悲しみ、不安、罪悪感などのネガティブな気持ちが生じ、物を捨てるのが億劫になることがあります。
対処法を二つ紹介します。一つは、物を分類するということです。例えば、「捨ててもいいけど捨てられない」と感じている物を出してみましょう。そして、「どうしても必要な物」と「そうでない物」に分けてみてください。後者は当面の生活では使わない物ですから、捨てやすいと思います。物をこのように分類する作業は、案外、物を捨てるよいきっかけになります。もう一つは、捨てやすい物から意識して捨てる習慣を持つということです。このタイプの場合、物を捨てることを億劫にしているネガティブな気持ちに慣れることが重要です。物を捨て続けると慣れてきて、物を捨ててもネガティブな気持ちになりにくくなり、捨てやすくなります。
専門家に頼ることも大切
人によっては、物が捨てられなくて、自宅に生活の邪魔になるほどの物が散らかっていることもあるかもしれません。実はこのようなケースは少なくないです。このような場合は、精神保健福祉センター、医療機関などを訪ね、専門家の力を借りましょう。物を捨てられない背景は本当に多様で複雑です。困ったら専門家を頼ってください。