ああ、また忘れちゃった…
「あれ? 鍵どこだ?」「しまった! 乗り過ごした!」「はっ! 約束忘れてた!」 …皆さんも一度や二度はそんな経験があるのではないでしょうか。気が散ったり、忘れ物をしたり… 誰にでもある当たり前のうっかりも、その頻度や回数、自分や周囲への影響が大きくなってくれば、生きづらさや困難さに繋がってくることがあります。タイトルの「忘れっぽさ・不注意」と共に生きることは、私自身の人生の中心テーマです。忘れるのはモノだけではなくて、人から聞いたことや、日々の予定など、実に様々です。
不注意と自己肯定感
私はおそらく「不注意傾向」が強い人間です。思い起こせば、小学校のころからいつも、「授業中よくボーっとしている」とか「話しかけても気づかないことが多い」と心配されたり、忘れ物をして怒られたことは数知れず。時には周囲から、「努力が足りないんじゃない?」等と言われることもあり、そのたびに本当にがっかりして、「自分はなんでこんなこともできないダメな人間なんだろう…」と凹んでしまうこともありました。…そう、コントロールできない不注意や忘れ物は、時として「自己肯定感」を下げる要因となってしまうことがあるのです。そうするとますます自信がなくなって、仕事や社会生活にも影響を及ぼすようになってしまうという、悪循環に陥ってしまいます。
周囲の理解と自分なりの工夫
そんな風に私が落ち込んでいる時に、最も助けになったのは同僚や家族の言葉でした。「いいいい、あるある、そういうところもあなたらしくて好きだよ。素敵なところ沢山あるんだから、自信もって!」とユーモラスに私の失敗を笑って赦し、次はどうすれば上手くいくかを一緒に考え、時には手を添えてサポートしてくれました。私自身も、そんな周囲の優しさに応えたいと、精一杯できることをやるようになりました。例えば、携帯のメモやスケジュールのアラーム機能をフル活用して、予定を忘れないようにする。住む環境を整えて、全ての物の置き場を決めてラベルを貼る、などなど。そして一番は、ポシェット型の携帯ケースの中に定期や大事なカード類、少しの現金、自転車や家の鍵をすべて引っ付けて、「これさえあれば、なんとかなる!」というセットを、常に首からぶら下げること。肩は凝るけれど、重くて存在感があるうえに、うっかり落としても大きな音がするので、今のところあまり無くさずに済んでいます。
特性は、自分らしさでもある
多様な個性・特性の中で、強みの部分を活かし、弱みの部分は支えてもらう。そんな社会が当たり前になれば、私の特性はそこまで大きな障壁にはならないと感じています。そして、失敗ばかりで落ち込んでしまった時には、周囲からだけではなく、自らが自分を赦すことも大切です。そして、忘れっぽい事には得もあります。第一に、今まで私が周囲から受けた沢山のサポートは、私が誰かの失敗に出会った時の寛容さへと繫がっていると思います。みんなそれぞれに得意・不得意があって、みんな違うから面白い。そう思ってくれる人が一人でも傍にいることが、救いになるのです。もしあなたが自信を無くしたら、どうか私のことを思い出してみて下さい。あなたの心のそばで、「大丈夫、失敗しても、あなたの価値は変わらないよ」って、あなたの心を抱きしめたいなぁって思います。忘れっぽい人は、いい意味で、過去じゃなくて今を生きている人。一緒に明るく生きていこう!