学校で将来の夢やなりたい仕事について書く、という経験をした人は多いのではないでしょうか。私たちは数えきれないほどたくさんある選択肢から「やりたいこと」に基づいて何かを選ぶことをなんとなく強制されているように感じます。自分は何者なんだろう、何がしたいんだろう、と悩む経験は多くの人が通る道です。このようにやりたいことに悩むのは、中学生~大学生頃の年代で多いといわれていますが、この年代に限ったことでもありません。やりたいことを考えるって簡単なように思えて難しいものです。
将来のあなたは?
いきなりですが、一年後、五年後のあなたを想像してみましょう。あなたは何をしていますか? どんな自分になっていたいでしょうか? 想像したあなたの周りには誰かがいたかもしれません。必ずしも具体的な職業や状態を思い描く必要はありません。将来どうなっていたいかを想像することで、あなたがこれから大切にしたいことが見えてくることがあります。
人によって大切にしていること、大切にしたいことは違います。お金では測ることが難しい、人それぞれの価値です。家族との関係を大切にしている人もいれば、一人でいることを大切にしている人もいます。活動でいえば、何かをつくることを大切にしている人や誰かと協力することを大切にする人、お世話することを大切にする人もいます。あなたなりの大切なことを持ち続けてほしいと思います。
日常生活のなかにあるヒント
急に数年後の自分、といわれてもなかなか想像がしにくいかもしれません。そんなときは、今の生活に目を向けてみましょう。やっていて楽しいと思えたり、充実感を得られたりする活動がヒントになるかもしれません。すぐに思い浮かばないときは、これから日常生活を過ごす中で自分の行動と気持ちを観察してみましょう。
また、これまでやってきたことも振り返ってみましょう。以前はよくやっていたけど最近あまりやっていない活動、前から興味があるけどなかなか行動には移せない行動はありますか? とはいえ、なにか行動するときはなかなか気が向かなかったり、不安になったりするものです。やろうと思ってもなかなかやる気にならない、という場合でも行動してみると気持ちが変わるということがあります。宿題をするやる気が出なくて嫌な気持ちになっていたけど、やってみたら意外とできて逆に楽しくなってきたということはないでしょうか。行動してみることには気持ちを変えるパワーがあります。
やりたいことがわからない
やりたいことが決まっていてそれを実現するために実際に行動に移している人を見ると、やりたいことがわからないというのは辛く、焦りを感じます。やりたいことはいろいろなものごとや人にふれる中で見えてくることがあります。ゲームのようにルーレットで決められたら楽なのかもしれませんが、そうはいきません。いろいろ考えてもやりたいことがわからないときは、無理にやりたいことを考えずに今自分にできそうなことをやってみるというのも一つの選択肢です。