私たちは誰しも、人生で命や安全が脅かされるような大きな出来事を体験することがあります。「トラウマ」とは、このような体験によって生じる心の傷を指します。
 事故や災害、暴力被害、性的被害など、心身ともに衝撃を受けるような体験は、トラウマにつながる可能性があります。広い意味では、いじめやハラスメントなどの体験による傷つきを含めて、広くトラウマと呼ぶこともあります。
 トラウマを経験すると、その影響は、出来事が過ぎ去った後も続き、不安や緊張が続いたり、その出来事が突然よみがえったり、自分や他者への見方が変化したりすることがあります。心身に現れるさまざまな反応は正常なストレス反応で、誰にでも起こりうるものです。そして、こうした反応は時間の経過とともに和らいでいきます。もしその影響が長く続き、日常生活に支障をきたしている場合、心的外傷後ストレス症(Posttraumatic Stress Disorder; PTSD)を患っている可能性があり、専門的な治療が役に立つかもしれません。
「トラウマ」の仕組みや意味を知ることは、回復への道筋を見つけるための大切な一歩となります。この特集が、トラウマによってもたらされる体験を理解し、対処法や考え方のヒントを見つける助けとなれば幸いです。

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